博士の研究論文　第一回　「ONA-SAI」の効果と必要性における考察

人々は衣・食・住だけでは生きていけません。
生きてゆく為には夢が必要だという事に私は気が付きました。
日々の生活に追われた大人達の瞳にいにしえの輝きを取り戻す。
私はアイデアと技術を駆使し一人でも多くの方に夢を与える為の努力を惜しみません。

そして万民が求める物をもう一つ見つけました。
衣・食・住・・・夢、そして・・・放屁です。

人々は日々屁を我慢してます。
OLは１００％、四六時中屁を我慢してます。
なんでしたら屁を我慢する為に出勤していると言っても過言ではないでしょう。
あと課長も我慢してます。次長もしてます。秘書なんか一番してます。
という事は会社ぐるみで屁を我慢していると言う事が出来ます。
会社だけではありません。
妹も、姉ちゃんも、オカンも・・・オヤジ以外全員が屁を我慢しているのです。
来る日も来る日も人類は地球規模で屁を我慢しているのです。

貴方も経験がある筈です。
あまりに我慢し過ぎて屁が逆流してゲップになったこと。
デート帰りの車内で彼女の姿が見えなくなっても出続ける屁。
友人の思わぬギャグに笑わされ大臀筋がゆるんだ瞬間漏れる魔の屁。
何年経ってもフと思い出しギャッっと叫びたくなる恥ずかしい経験。
「大丈夫、誰も覚えていない！」そう自分に言い聞かせる。
いいえ、皆ちゃんと覚えてますよ。

そこで私は考えました。

なぜ人前での屁がタブーとされているのか。
まず一つは音です。
コミカルな反面、こいた本人は非常にカッコ悪い。
車内で思わず「プッ」っともれた彼女の屁に「ブビーッ」と屁をカブせ「失礼」と一言。
中にはこの様に非常に男前の屁のこき方もありますが、素人ではなかなかこの域に達する事は出来ません。
経験不足な若者なら「具」まで出してヒンシュクをかうのがオチです。

もしくは強盗に両手両脚を縛られ口にガムテープというシチュエーションで通行人に屁で助けを求める場合。

上記の二通り以外、粋な屁は存在しない訳です。

私は思い付きました。「音を消そう」
そこで提案、目からウロコのスーパーアイテム。
名付けて「オナラ・サイレンサー」略して「オナサイ」。

人類が求めていた新製品、誰もが生理現象と片付けて真剣に立ち向かわなかったオナラ問題に終止符を打つ画期的発明！
これさえあれば授業中屁をこいて笑われる心配も、殺人鬼から身を隠している時に屁で見つかる心配もありません。

しかも音だけではありません。
あの漬物のような臭い。
自分の臭いは落ち着きますが、人の屁の臭いには殺意を感じる事もしばしばです。
さっきまで腸の中でウンコと同居していた気体を俺の鼻から思いっきり吸い込ませる権利をコイツは何処で得たのか？
そんなコイツはそんなに偉いのか？
もしかしたら屁はウンコの粉末なのか？
訴えたら勝てるのか？
そんな裁判がニュースになってテレビに出たら俺はオナラ裁判の人としてお茶の間で有名になれるのか？
俺が勝ったらあちこちで裁判が起きて裁判所は大忙しになるのか？
そしたら裁判所の前でたこ焼きを売って儲けよう。

そこでも考えました。なぜこんなに不愉快になるのか。
それは臭いはオナラの自己主張だからです。

貴方は上手いこと音をごまかしたとします。
やりかたはコクと同時に大声を出したのかも知れません。
クラクションを鳴らして怒鳴るほどでもないのに怒鳴りながらこいたのかも知れません。
お尻を両手で開いて音が出難くしたのかも知れません。
とりあえず貴方は屁の音を姑息にもインペイする事に成功しました。

しかし駄目です。全然駄目。
貴方の屁は彼女の、彼の鼻の穴に遠慮なく侵入し漬物の臭いと言う名の叫び声を上げます。
「こいつ屁〜こきましたよ！今、屁〜こきましたよ」

痛みが身体の悪い処を教えてくれる様に、臭いは大気に紛れた屁の存在を如実に知らしめるのです。

それでも、御安心下さい。
オナサイに内蔵されたフィルターでろ過された貴方の屁は無臭の気体として放出する事は勿論、
オプションのフィルターに付け替える事でフローラル、ジャスミン、キンモクセイ、様々な小粋な芳香剤の役目を果たします。

こうなってきたらコッチのもの！
屁＝臭い、恥ずかしい
の公式が覆り
屁＝爽やか、小粋、イナセ
となります。

テレビのコマーシャルで吉岡美穂ちゃんがオナサイを片手に「こいてミホ」。
ＯＬを中心にオナサイは飛ぶように売れます。オナサイが飛びます。

携帯電話以来の普及を見せます。
肛門の数だけオナサイは売れます。
そうなってくると色んな企業、大資本がオナサイ産業に参入して来ます。
他社のものとの差別化を図り多機能なオナサイが売り出されます。
屁をメロディに変換するオナメロをダウンロード出来ます。
離れた相手に真心の屁（香り）を伝えるヘメール。
装着したまま大便が出来る（拭かなくても大丈夫）オナサイは庶民には高嶺の花。

そんなオナサイを私は売りたい！
私の先見の明を信じて下さい。
この場を借りて協力者を募集します。
このオナサイを開発して欲しいのです！
オナサイを完成させれば私と貴方の写真は１０年後の社会科の教科書に載ること請け合い！
私と一緒に地球を、ＯＬを救いましょう！！

まだオナサイについては語り足りませんが残りは次回に持ち込む事にします。

専用BBSに御意見、ご感想をプリーズ！

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